観点2:万人にとっての使いやすさを追求する

インストーラやアンインストーラを提供することは、使いやすさの向上になるか?

まず第一に、オンラインソフト等で、 インストールしないとドキュメントが読めないのは困ります。 lzhファイルやexeファイル(自己解凍)なら、まだ良いのですが、 exeファイル(自動インストーラ)だと困ります。

超初心者むけには、そっちのほうが分かりやすいのかも知れませんが、 そうでない者にとって、 どんなファイルが含まれているのか、Windowsディレクトリに何がコピーされるの か、インストールを実行しないと分からないというのは、怖いものです。 (DLL地獄という言葉もあるくらいです) インストールに失敗することだって在りえます。 私のソフトは、全て、LHAで解凍しただけで使えるようにしてます。 それでも、「インストール方法が分からない」といったたぐいのメールは来ていません。 もし、どうしてもインストーラでインストールするようにしたいと言うなら、 せめて、それを実行する前に読めるドキュメントに、展開されるファイル名 (特にWindowsディレクトリやwindows\systemディレクトリに何がコピーされるか。 インストーラ自体が動作するために最初にコピーされるファイルも含む) を明記してください。

アンインストーラがuninst.exeなどのファイル名で、 インストール先のディレクトリに存在するのも目障りです。 アンインストールするつもりもないのに、 うっかりそれを起動してしまったら、どうなるでしょう?

拡張子を自動的に補完するのは、使いやすいか?

メモ帳でファイルを保存する時、「hello.c」というファイル名にするつもりが 「hello.c.txt」になってしまって困ったという経験はないですか?

コマンドライン引数のサポート

Windowsアプリでも、コマンドライン引数は重要です。 「関連付け」をサポートする最も単純な手段でもあります。 ただし、Windows95以降では、スペースを含むファイル名が正しく動作するかどうか、 留意する必要があります。詳細は「Windowsでのコマンドラインの解釈」参照。

コンバーター的なソフトなら、 Windowsソフトであっても、 コマンドラインパラメータで入力ファイル名と出力ファイル名を受け取って、 処理を行い、自動的に終了するのも、バッチファイルと組み合わせると便利かもしれません。

標準的なユーザーインターフェースのサポート

アマチュアが作ったソフトならともかく、メーカー製のソフトでも、 タイトルバーやメニューバーの無いウインドウをもつものがあります。 タイトルバーがないと、マウスでの移動をどうやったら良いのかわかりません。 システムメニューの呼び出し方もわかりません。 メニューバーがないと、特に困るのがヘルプの呼び出しが分かりにくいという点です。

色使い

どんな画面を見やすいと感じるかも、人それぞれです。 たとえば、白内障の人は、白地に黒文字だと、とても読みにくいそうです。 普通の人でも、まぶしいと感じることもあると思います。 では黒地に白文字はどうかというと、 これは印刷物と一致しないために使いにくいと感じる人もいるようです。 こういうのはカスタマイズ可能にすべきです。 あと、金属的な雰囲気や立体感を出すために、よくライトグレーが使われますが、 この上に直接、黒で文字を書くと、こんどは暗すぎて読みづらいようです。 ライトグレーが必要な時は、RGB(192.192,192)と書いたりBRUSH_LTGRAYと書いたりするのはやめて、 COLOR_BTNFACEを使うのが良いと思います。 もちろん、その上に文字を書くときは、COLOR_BTNTEXTを使います。

「かっこ良さ」と「分かりやすさ」「使いやすさ」の矛盾

色使いの項でも述べましたが、灰色を基調としたデザインは、文字が読みづらくなることがあります。 ダイアログボックスの3D表示は、offにできるようにした方が良いと思います。 また、ボタンなどの表示も英語表示やオーナードローは分かりにくくなることがあります。 ソフトのジャンルによっては、可能なら、ひらがな表示も考慮すべきでしょう。 (小学生が使うかもしれない)

巨大ファイルへの対応

数十メガバイトや数百メガバイトのファイルを指定すると、その分のメモリを確保しようとして、 延々とスラッシングを始めてしまうソフトがあります。Windows95のサウンドレコーダー等です。 それでも、読み込みで「OK」を押した後にそういう状態になるのは、まだ許せますが、 (場合によっては、ファイル全体をメモリに読みこまないと処理ができないアプリというのも 在りえると思いますので)許せないのは、プレビュー機能つきのソフトで、プレビューさせただけで、 そういう状態になることです。

ファイル数の上限、その他の制限

複数のファイルを同時に扱うアプリで、ファイル数に100個とか256個とかいう、 あまり根拠のない上限があるのも困りものです。 テキストファイルを扱う場合、行数や、一行のサイズに上限があるのも困ります。

フォントサイズ

リブレットで使うと虫眼鏡が必要なソフトも困りものです。たとえば、Windows95のインストーラは、 エラーメッセージを12ドットフォントで出力するようです。日本語はなんとか読めますが、 アルファベットで表示されるファイル名は本当に虫眼鏡が必要でした。

行ピッチ

メモ帳、ワードパット、Internet Exproler 3.0などを使って感じることは、 どれも行ピッチが狭すぎるということです。Internet Exproler 2.0や、 Windows3.1の「ライト」などは、行ピッチを調節する機能がついてました。 行ピッチは、文章の読みやすさに大きく影響します。願わくば、 テキストを扱うすべてのアプリケーションが、この機能をサポートしてほしいと 思います。

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